FAQ

Q.1

カオス解析プログラムの第1リアプノフ指数のパラメータについて
カオス解析プログラムの第1リアプノフ指数のパラメータの発展時間のパラメータの意味と使用方法を教えてください。

A

発展時間とは、計算を行なう際に何点ずつ飛ばして計算するかというもので、デフォルトの10という数字は、10点ずつとばして計算するという意味です。発展時間を小さくするほど計算の精度は良くなりますが、計算時間は長くなります。

Q.2

カオス解析プログラムの埋め込み遅延時間の決め方
埋め込み遅延時間を、自己相関から求める際の根拠を教えて下さい。

A

合原先生の「カオスセミナー」という本には次のように書いてあります。「遅れ時間は用いる時系列の自己相関係数や、相互情報量を目安とするのが一般的である。すなわち、自己相関係数が最初にゼロクロスする時間(ゼロクロスしない場合には最初に極小値をとる時刻)や相互情報量が最初に極小値をとる時刻を遅れ時間とするのである。これらはベクトルの要素間の相関をできるだけ小さくし、要素間の相関をできるだけ小さくし、要素間にできるだけ情報量を残さないようにしていることに相当する。」

Q.3

カオス解析プログラムの超球サイズについて
カオス解析プログラムの超球サイズについて教えて下さい。

A

超球サイズとは、リアプノフ指数の計算の際、仮想的に考える球の大きさのことで、アトラクター全体の直径に対する超球の直径の比で表されます。
リアプノフ指数の計算アルゴリズムの性質上、リアプノフ指数の結果は、超球サイズと反比例する性質があります。すなわち、超球サイズを大きくすると、リアプノフ指数が小さくなり、超球サイズを小さくすると、リアプノフ指数が大きくなる性質があります。
佐野沢田のリアプノフ指数の論文では、超球サイズは0.02と記述されています。ノイズが少なく、十分長いデータの場合は、超球サイズは0.02で計算することが理想ですが、超球の中に必要な数の点が見つからない場合は計算不能となってしまいます。
超球半径により、リアプノフ指数の値は変わりますので、複数の実験データを比較する際には、同じ超球半径で計算したものを比較するようにご注意下さい。

Q.4

カオス解析プログラムの「近傍点数」について
カオス解析プログラムのリアプノフスペクトルの計算パラメータの「近傍点数」とは何ですか?

A

「近傍点数」はリアプノフスペクトルを計算する際に、超球の中に入るアトラクタの点を探す際の上限数です。通常デフォルト値の20から変更する必要はないと思います。

Q.5

カオス解析プログラムの相関次元について
相関次元の「相関積分と超球半径の関係」図において、各次元の直線部分をマウスクリックにより指定する時の注意点をお教えください。

A

カオス力学入門( G.L.ベイガーJ.P.ゴラブ著/松下貢 訳)啓学出版からの抜粋より説明させていただきます。第 5章に「カオスアトラクターの特徴づけ」という章があるのですが、その中のP125に、次のような記述があります。「相関次元の曲線は半径Rの大きい値および小さい値に対して直線から外れる。その理由は次のようである。Rが位相空間のサイズそのものに近づくと、すべての点が1つの円に含まれるようになるためにC(R)は1に頭打ちになる。他方、Rがデータ点間の平均距離よりも小さくなると、各円内には中心にある1点だけが含まれるようになって、C(R)は 1/(N^2)で底をつき横ばいになる。」 ゆえに、相関次元の計算では、曲線の右上と左下の変局した部分を除いた中央部分の直線に近いと思われる部分を選択して下さい。

Q.6

DFA解析プログラムについて
DFAの結果として、全体の傾きおよび右の傾き・左の傾きと出てきます。右および左とは何を意味するのでしょうか。また、右左のcritical pointはどのように決められているのでしょうか。

A

横軸のlog(n)のnは、等間隔のボックスのサイズですので、nが大きいほど、長い時間で区切ることになりますので、右側がlong-term、左側がshort-termということになります。
ただし、「右の傾き=長期相関、左の傾き=短期相関」という意味ではありません。
DFAの全体の傾き、又は右側の傾き、左側の傾き、αの値によって以下の様に分類されます。
0<α<0.5の時;反相関
α=0.5の時;無相関、ホワイトノイズ
0.5<α<1.5の時;長距離相関(α=1.0の時 1/f ゆらぎ )
α=1.5の時;ブラウンノイズ、ランダムウォーク
1.5<α<2.0の時;短距離相関(過去の値と強い相関)
critical pointは、目安として、傾きの不連続部分を弊社考案のアルゴリズムで検出しております。
critical pointで、右、左に分けて考える方法は、弊社の研究の結果、2つに分かれる場合がありましたので、付加機能として付け加えたものです。
通常のDFAを用いた論文等では、全体の傾きだけに注目してることが多いようです。

Q.7

BACS、RealCast、カオス解析プログラムのアトラクターについて
脈波の値はプラスの値なのに、アトラクターの最小値は、なぜマイナスの値になるのですか?

A

“Tsuda I , Tahara T & Iwanaga H (1992) “Chaotic pulsation in human capillary vessels and its dependence on mental and physical conditions,” Int. J. Bifurcation and Chaos 2(2),313-324の論文は、弊社研究員と、津田先生、田原先生が共同で発表した、脈波のカオス研究の最初の論文ですが、P315に脈波のアトラクター表示の図、P316の式(1)に4次元から3次元への投影式について説明してあります。
弊社のカオスアトラクター表示は、この投影方法で4次元に埋め込んだ脈波のアトラクターを3次元へ投影し、さらに、通常のグラフィックで用いられる手法で2次元の平面上にアトラクターの軌道を描いております。
アトラクターの埋め込み次元が、3次元以下の場合は、もとの脈波の値がプラスの範囲の場合は、アトラクターの縦軸、横軸もプラスの範囲に分布致します。
ただし、埋め込み次元が、4次元以上の場合は、P316の式(1)の中にマイナスの項がありますので、もとの脈波の値がプラスの場合でも、4次元から3次元に投影する時にマイナスの値が出てきて、最終的に縦軸、横軸にもマイナスの値が出てくることになります。

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